今年に入ってから、市の各部署が運営する審議会等を傍聴している。この審議会でもまれ、計画となり予算となって議会に諮られる。どのように委員の意見が反映されているのか見ておかねば何も分からないからである。先日、産業立地(誘致)の計画策定審議会を拝見したばかりで、下記のコメントに出会い、またいろいろ考える材料となった。
【元経済産業省職員・政策工房会長 高橋洋一さん投稿 みんなの党メールマガジン132号より】
産業政策という英語は見当たらない。どうして政府がターゲット産業を見つけることができるのか、日本の産業政策は政治家・役人の利益誘導ではないかといわれてしまう。もっともな本質的な疑問である。民間がうまくいかない出資を、官僚がうまく出来るはずない。しかも役人は自分の懐は痛まないから失敗はさらに大きくなる。こうした酷い結果でも役人は誰も責任をとっていない。
役人時代は、経産官僚に対してそんなに産業政策がうまくいって儲けられるなら、なぜ退職してターゲットの産業に転職しないのかと聞いたが、転職した人は誰もいない。このようなターゲティング・ポリシー(特定産業分野を政府が戦略的に育成すること)は役人獲得、天下りのための手段であり、本当に成功するはずはないと、役人ならみんな本音で思っているだろう。
小泉政権の経済財政諮問会議特命室で働いていた時は、そうした経験を生かして、ターゲティング・ポリシーによる成長戦略を作らなかった。それでもターゲティング・ポリシーの要求は多かったので、報告書では一番最後に「がらくたコーナー」を作り、その中に押し込んだ。そして何もしなかった。へたに政策をやられると、無駄遣いが増えるだけだからだ。これを無害化とかいっていたくらいだ。規制緩和のほうがはるかに成長につながる王道の政策だ。しかし、規制緩和は役人の権限を削ぐので行われない。困ったものだ。
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